防水スプレーの吸込み事故に注意!

冬のこの時期、防寒着やブーツといった布・皮革製品の雨雪対策などに、エアゾールタイプの防水スプレーを活用する方も多いと思います。ボタンを押すだけで撥水剤が細かい霧状になって噴射されるため、手軽に撥水加工を施すことができて便利ですが、霧を吸い込んでしまうと、呼吸器障害などの中毒症状を起こすおそれがあり、使用には注意が必要です。

事故事例

家庭用防水スプレーによる中毒事故は、フッ素樹脂などの撥水成分を含んだ細かい噴霧粒子が肺深くに到達し、肺でのガス交換に支障が生じることなどにより発生すると考えられています。

消費者庁には、噴射された霧を吸い込んで呼吸困難になった、吐き気が生じた、発熱したなどの事故情報が寄せられています(※1)。

 

○「狭い玄関で戸を閉めて、10分ほど防水スプレーを使用した。10時間以上経過しても呼吸困難感や悪心が続くため受診した。」(20歳代)

○「玄関のドアを開けて防水スプレーを靴にかけていると、風向きが変わり、霧を吸い込んで呼吸困難になった。」(40歳代)

○「閉め切った車内で靴に防水スプレーを使用した際、吸い込んだ。呼吸が苦しくなり、受診して入院となった。」(70歳代)

○「閉め切った室内でレインウェアやリュックに防水スプレーを多量に使用した。発熱、呼吸困難があり、入院となった。」(50歳代)

○「新しく購入したソファに、室内でマスクを着用せずに、防水スプレーを1本分使用した。使用した本人と部屋にいた家族2人に発熱などがあり受診した。」(40歳代)

 

事故を防ぐために

○マスクを着用し、風通しのよい屋外で使用する

○風向きに注意し、風上から風下に向かって使用する

○顔の近くでスプレーしない

○一度に大量に使用しない(※2)

○周囲に人がいないか確認してから使用する

 

時間差で症状が現れることもあります。万が一吸い込んでしまったら、(公財)日本中毒情報センター(※3)やかかりつけの医療機関等に早めに相談しましょう。

 

※1:事故情報データバンク:消費者庁が(独)国民生活センターと連携し、関係機関から「事故情報」「危険情報」を広く収集し、事故防止に役立てるためのデータ収集・提供システム(平成22年4月運用開始)。

※2:製品表面に使用量の目安が記載されている場合もあります。

※3:(公財)日本中毒情報センター「中毒110番電話サービス」(一般専用電話、365日24時間対応)

●大阪中毒110番 TEL:072-727-2499

●つくば中毒110番 TEL:029-852-9999

中毒110番電話サービス

 

(参考)

消費者庁「8月に多いスプレー缶によるやけどや皮膚障害に注意! -使用時に吸い込んで呼吸困難になる事故や、廃棄処理時に引火する事故が発生-」(令和2年8月7日) [PDF:KB]

(公財)日本中毒情報センター「防水スプレーを吸い込む事故に注意しましょう!(2024年6月更新)」(2024年6月17日)

東京都商品等安全対策協議会報告「防水スプレー等の安全対策」(2021年3月18日更新)

東京都生活文化スポーツ局「防水スプレーを安全に使いましょう-注意喚起リーフレットを作成しました-」(2021年3月23日更新)

(一社)日本エアゾール協会「正しく安全に使うには>防水スプレーについて」

 

消費者庁資料:コラムVol.13 防水スプレーの吸込み事故に注意!

千葉県