より安全なチャイルドシートの使用を!

2024年における警察庁及び(一社)日本自動車連盟(JAF)の調査(※1)によれば、我が国における6歳未満のチャイルドシートの使用率は78.2%であり、チャイルドシートの義務化以降、未だに100%には至っていません。なお、同調査における年齢層別の使用率を見ると、1歳未満は91.7%、1歳から4歳までは80.7%であるのに対し、5歳では57.9%と低くなっています。

 

また、チャイルドシートの不使用者の致死率は、適正使用者の約4.2倍となっており、チャイルドシートを適正に使用していなかった場合、交通事故が起きた際に手遅れになりかねません。

 

チャイルドシートを使用していても、正しく座らせていなかったり、体格に合っていなかったりした場合には、チャイルドシート本来の機能が発揮できないことがあります。以下の点に注意し、正しく使用しましょう。

 

●こどもが6歳になるまでは必ずチャイルドシートを使用し、6歳以上になったとしてもシートベルトを正しく使える体格になるまでは、チャイルドシートを使用しましょう。短時間であったとしても使用してください。

 

●チャイルドシートは取扱説明書をよく読んで、取付可能な座席に確実に固定し、こどもの体格などに応じ、シートの角度や背面の高さ、ベルトの長さを調節し、バックルを確実に締めましょう。

 

●チャイルドシートを購入等する際は、使用する車に適合しているか(※3)や国土交通省の定める保安基準に適合したマークが付いているか(※4)を確認しましょう。

 

●シートベルト固定方式よりも誤使用の少ないISOFIX固定方式(※5)のチャイルドシートを使用しましょう。新たに購入等する際は、新安全基準であるUN-R129(※6)に適合したチャイルドシートを選択するとよいでしょう。

 

チャイルドシートは、こどもの大きさや固定タイプなどによって、製品ごとに取付け方が異なります。取扱説明書に加え、シートベルト・チャイルドシート着用推進協議会のチャイルドシート取付動画(※7)も参考に、正しく取り付けましょう。

 

 

※1:警察庁「子供を守るチャイルドシート」

※2:消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月から、医療機関(令和6年9月現在で32機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。

※3:チャイルドシートメーカーなどから出されている「車種別チャイルドシート適合表」などで、使用する自動車に取り付けられるかどうかを確認しましょう。もし、適合するかどうかが分からない場合、メーカーに直接確認しましょう。

※4:国土交通省の定める保安基準への適合が確認されたチャイルドシートには、いわゆる「Eマーク」(○の中にアルファベットのE及び装置を認可した国の番号(日本の国番号は43)が併記されたマーク)が添付されています。なお、保安基準に適合したものでなければ、使用することはできません。

※5:シートベルトを使用せず、専用の金具で座席に固定する方法で、誰でも簡単・確実に取り付けることができます。従来のシートベルト固定方式では、誤った取付けによる使用が多かったため、2006年10月にチャイルドシートに関する基準見直しが行われ、共通取付具(ISOFIX)により固定するタイプが販売されています。

※6:2023年9月以降は、新安全基準である「国連の車両等の型式認定相互承認協定第129 号(UN-R129「新幼児拘束装置」)に適合したもののみが製造可能となっています。
現在、UN-R129に適合したチャイルドシートとして製造されている代表的なものには、「一体型汎用 ISOFIX 改良型幼児拘束装置(i-Size)」と「非一体型汎用改良型幼児拘束装置(i-Sizeブースターシート)」があります。これらはISOFIX固定方式となっているほか、前後からだけでなく側面衝突時の安全評価が追加されています。また、装着基準について、これまで体重に応じて区分されていたものが、身長に応じて区分されるようになったため、より体格に合わせられるようになりました。このように、新安全基準(UN-R129)では、様々な面でチャイルドシートの安全性向上が図られています。なお、UN-R129に適合したチャイルドシートでは、首の発達を保護するため、生後15ヶ月までのこどもは前向きでチャイルドシートを使用しないよう注意する必要があります。

※7:シートベルト・チャイルドシート着用推進協議会「啓発用コンテンツ」

 

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