洗濯用パック型液体洗剤での事故に注意!

洗濯用パック型液体洗剤は洗濯の際に計量の必要がない便利な洗剤ですが、こどもが誤飲したりする可能性があり、その取扱いには注意が必要です。

 

消費者庁・国民生活センターには、洗濯用パック型液体洗剤に関連したこどもの事故情報が医療機関から寄せられています。

 

●「祖父母宅に帰省中、洗面所から物音がしたため保護者が様子を見ると、こどもが洗濯用パック型液体洗剤をかじっていた。救急搬送中、顔色が悪く4回嘔吐した。急性呼吸不全などがみられたため入院。人工呼吸管理等の処置が必要となった。保護者宅では液体洗剤を使っており、こどもがパック型のタイプを見たのは初めてだった。」(0歳8か月)(※1)

●「洗濯機に入っていたパック型液体洗剤を、こどもが踏み台を使って取り出して自分で潰した。中の洗剤がこどもの左目に入り、洗眼したものの充血していて、目が開かないため病院を受診。なお、パック型液体洗剤は普段、こどもの手の届かない位置に置いていた。」(3歳)(※1)

 

こどものみならず高齢者が洗濯用パック型液体洗剤を誤飲した事例も報告されています。

 

●「認知症のある高齢者が、自宅の洗面所に置いてあった洗濯用パック型液体洗剤を1~2個食べてしまった。嘔吐と下痢が続き、病院に搬送された。洗剤による界面活性剤中毒から誤嚥性肺炎となり、入院し、その後人工呼吸管理が必要となった。」(70歳代)(※2)

 

国内で販売されている洗濯用パック型液体洗剤は、濃縮液体洗剤が水溶性のフィルムで包まれた柔らかいもので、舐めたり、噛んだり、強く握ったりすることでフィルムが破れ、中身が飛び散る可能性があります。上記のような事故を防ぐために、洗濯用パック型液体洗剤を使用する上では、以下の点に注意しましょう。

 

〇こどもなどの手の届かないところに保管する。

〇使用した後は必ず密閉し、置き場所にすぐ戻す。

〇詰め替え用パックのまま使用しない。

〇洗濯機に入れたままにせず、洗濯のタイミングで洗濯槽に投入する。

 

また、濡れた手で触ることで洗剤のフィルム同士がくっつき、それを剥がす際にフィルムが破れてしまうことが考えられます。誤飲などのきっかけとなる場合もあるため、洗濯用パック型液体洗剤を濡れた手で触らないようにしましょう。

 

万が一、誤飲してしまった可能性がある場合や、目に入り、よく洗い流しても異常を感じる場合には、商品の成分が分かるパッケージなどを持って医療機関を受診しましょう。 受診に迷う場合は、かかりつけの医師や中毒110番(※3)、子ども医療でんわ相談(♯8000)(※4)等に相談しましょう。

 

※1: 消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月から、医療機関(令和6年11月現在で32機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。

※2: (独)国民生活センター「なくならない洗濯用パック型液体洗剤による事故-子どもだけでなく高齢者が誤って口に入れる事故も発生-」

※3: (公財)日本中毒情報センター「中毒110番・電話サービス」

※4: 厚生労働省「子ども医療電話相談事業(♯8000)について」

 

消費者庁資料:Vol.655 洗濯用パック型液体洗剤での事故に注意!

千葉県