パン等による子どもの窒息や誤嚥(ごえん)に気を付けましょう!

カットパンによる乳児の窒息事故(事例1、2)が発生したことを受け、1歳前後の乳幼児に食品を与える際は、無理なく食べられるよう、小さく切って与え、飲み込むまで目を離さないよう国民生活センターが注意喚起を行っています(※1)。

 

<事例1>
「カットパンを一つ丸々飲み込もうとして窒息。救急搬送されたが死亡した。」(10か月)
<事例2>
「ちぎったカットパンを食べさせたところ窒息した。」(11か月)

この他にも、消費者庁・国民生活センターには、食品による子どもの窒息・誤嚥(ごえん)(※2)事故の情報が医療機関から寄せられています。

 

  • 「カットしていないミニトマトを食べたところ、急に苦しそうになり、泣くこともできない様子だった。保護者が背中を叩くと飲み込んだようで、声を出して泣き、呼吸も安定した。」(1歳5か月)

 

  • 「スーパーの試食コーナーで保護者が大粒のブドウの汁だけをあげようとしたところ、汁と一緒に果肉を飲み込んでしまい、直ぐに顔色が悪くなった。救急要請し、周囲の人が背中を叩いていると果肉が出てきて顔色が戻った。」(7か月)

 

  • 「保護者が食べていたおかきを、子どもが食べてしまった。苦しそうな様子だったため、口に指を突っ込んだり、背中を叩いたりして吐き出させようとしたが、吐き出せずに顔色が悪くなったため救急車を要請した。気道異物の疑いで、全身麻酔をして内視鏡検査を実施したが異物は無かった。経過観察のため5日間入院となった。」(1歳5か月)

 

 

小さな子どもの口の大きさは直径約4cmで、喉はそれよりも細いため、口の中に入るものは何でも窒息や誤嚥の原因になる可能性があります。また、子どもはかみ砕く力や飲み込む力が発達していないため、パン等食品を十分に咀嚼(そしゃく)できずに丸ごと飲み込んでしまう状況も考えられます。

 

  • 粘着性が高く、唾液を吸収して飲み込みにくいもの
  • 丸いもの、つるっとしたもの
  • 固くてかみ切りにくいもの

などは特に注意が必要です。

 

事故を予防するため、

  • 子どもの発達をみながら食べさせる食品を選びましょう。
  • 食品に応じて小さくカットし、柔らかく調理するなどの工夫が必要です。
  • 市販品に表示されている対象月齢はあくまで目安です。表示されている注意事項を確認し、食べさせる前にもう一度子どもに与えて良いか考えましょう。
  • 誤嚥・窒息のおそれのあるものを子どもの手の届くところに置かないようにしましょう。
  • 食事の際は、水分を摂って喉を湿らせましょう。
  • 食べているときは、姿勢を良くし、食べることに集中させましょう。物を口に入れたままで、走ったり、笑ったり、泣いたり、声を出したりすると、誤って吸い込み、窒息・誤嚥するリスクがあります。
  • 子どもの年齢・月齢によらず、普段食べている食品が窒息につながる可能性があることを認識し、子どもの食事の介助や見守りを行いましょう。

 

もしも、のどに詰まって窒息してしまった場合は、「背部叩打法」など速やかに応急処置をしてください。

もしもの時の「応急手当方法」

 

(※1)国民生活センター「カットパンによる乳児の窒息事故が発生」

(※2)誤嚥:食品又は異物が気管に入ること。

千葉県