6月4日から6月10日までの1週間は「歯と口の健康週間」です。
むし歯予防や口の中の衛生のため、歯磨きは大切な生活習慣です。また、乳幼児期から自分で歯磨きしたり仕上げ磨きをしたりしてもらうなど、子どもにとっても歯磨きは毎日の習慣である一方で、歯ブラシをくわえたまま転倒し、喉を突くなどの事故情報が、医療機関から寄せられています。
平成28年4月から令和3年3月末までに、6歳以下の事故情報が120件報告され、そのうち3歳以下の事故が104件となっています。歯ブラシによる喉突き事故などを防止するため、特に、事故が多い1歳から3歳頃の子どもが自分で歯磨きをするときは、以下のことに気を付けましょう。
- 保護者がそばで見守り、床に座らせて歯磨きをさせましょう。子どもが 歯ブラシを口に入れたり、手に持ったりしたまま歩き回ると、転倒してけがをする危険があります。
- 子ども用歯ブラシは、喉突き防止対策を施したものを選び、保護者が仕上げ磨きをする歯ブラシと使い分けをしましょう。
【事故事例】
<事例1>
歯ブラシをくわえたまま、大人用ベッドの上で飛び跳ねていた。保護者が気付くと、口の中に歯ブラシがあるまま四つんばいで泣いていた。歯ブラシはすぐに取れたが、転倒した際に咽頭部に刺さったと考えられた。咽頭粘膜の下に空気がたまっていたため、集中治療室に入室、8日間入院。
<事例2>
歯磨き中に上の子とじゃれ合い、転倒。保護者は隣にいたが転倒の瞬間は見ておらず、気付いた時には口に歯ブラシが入った状態でうつ伏せになっていた。口腔こうくう内損傷と頸けい動脈どうみゃく周囲まで空気のたまりがあったため集中治療室に入室し、6日間入院。
【歯磨き中に転んだ?!と思ったら・・・】
- 持っていた歯ブラシに血液はついていませんか?
ブラシ部分だけでなく、柄の部分もしっかり確認しましょう。出血がある場合は、病院の受診を検討しましょう。病院を受診する際は、原因となった歯ブラシも持参しましょう。 - 口の中をしっかり観察しましょう。
口を開けさせて、出血しているところがないか観察します。舌を上げさせて舌の下にも傷がないか確認しましょう。
転倒による歯ブラシの喉突き事故では、喉の奥に傷があることが多いので、子どもに舌をベーと出すように指示して喉の奥も観察しましょう。スマートフォンのライト機能などを使って明るくすると観察しやすいです。 - 2、3日は、全身の状態を注意深く観察してください。
歯ブラシのブラシ部分には細菌の付着があるため、受傷後に細菌感染が起きることがあります。すぐに止血した場合でも、小さな傷であっても感染が起こる可能性はあります。傷の周囲が腫れてくると飲み込みがしづらくなり、嚥下えんげの時に痛みを訴えるようになります。また、発熱することもあります。受傷した後は、食事の量や体調には十分に気をつけて過ごしましょう。
【救急車を呼んだが方がいい?病院に行った方がいい?判断に迷ったら・・・】
専門家からアドバイスを受けることができる電話相談窓口『救急安心センター事業(♯7119)』があります。電話口で医師、看護師、相談員がお話を伺い、病気やけがの症状から救急車を呼んだ方がいいか、急いで病院を受診した方がいいか、受診できる医療機関はどこかなどを案内してくれます。
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